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泉法律事務所

コラム

遺産相続でトラブルに発展しやすい10のケース | 対策を知ってトラブルを未然に防ごう

遺産相続でトラブルに発展しやすい10のケース | 対策を知ってトラブルを未然に防ごう

遺産相続の手続きに直面したものの、親族間で対立や意見の相違が生じ、話し合いが進まないケースは珍しくありません。

相続は故人の思いを尊重し、残された家族が新たな生活を始めるための節目です。しかし、財産の内容が複雑であったり、相続人同士の関係性が希薄であったりすると、思わぬトラブルに発展し家族の関係に亀裂が生じる可能性があります。

遺産相続は誰もが経験する可能性のある出来事ですが、手続きや法律の知識が不足していると、予期せぬ問題に直面しがちです。

特に感情が絡む相続問題は、一度こじれると解決が困難になるケースも少なくありません。

この記事では、遺産相続でトラブルに発展しやすい10のケースと共に、トラブルを防ぐための対策について解説します。

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遺産相続でトラブルに発展しやすい10のケース 

遺産相続でトラブルに発展しやすい10のケース

遺産相続でトラブルが生じやすいケースは、以下の通りです。

  • ・財産の内容や範囲が不透明
  • ・遺言書の有無や内容の問題
  • ・分割の難しい不動産がある
  • ・相続人同士の関係性が悪い
  • ・相続人の数が多い
  • ・生前に介護していた相続人がいる
  • ・生前贈与が行われていた
  • ・被相続人に借金があった
  • ・内縁関係の配偶者がいる
  • ・子どもがいない

それぞれを理解し、相続で起こりうるトラブルを想定して対策を立てましょう。

ここでは、遺産相続でトラブルに発展しやすい10のケースを詳しく解説します。

財産の内容や範囲が不透明

被相続人が残した財産の内容や範囲が不透明だと、遺産相続でトラブルに発展する可能性が高まります。

例えば、自宅に現金が大量に保管されていたり、家族が知らない金融機関の口座があったり、あるいは借金の有無が不明確だったりすると、相続人同士で財産の全容について認識のずれが生じます。

透明性の欠如は隠し財産や不正な持ち出しの疑念を生むほか、不信感を募らせる原因です。

正確な財産目録が作成されない限り、公平な遺産分割協議を進めることは困難になるでしょう。

遺言書の有無や内容の問題

有効な遺言書が存在しない、またはその内容に不備や偏りがある場合も、相続トラブルの原因になりやすいです。

遺言書がないと、原則として相続人全員の話し合いである遺産分割協議に委ねられます。しかし、相続人全員の合意を得ることは容易ではありません。

また、遺言書があっても形式不備で無効であったり、特定の相続人に財産が偏重していたりすると、遺留分侵害の請求など新たな争いの火種を生むでしょう。

遺言書は故人の意思を明確にする重要な書類ですが、作成には細心の注意が必要です。

分割の難しい不動産がある

評価が困難で分割が難しい不動産が相続財産に含まれると、遺産分割が複雑化するため、トラブルにつながりやすい傾向です。

例えば、自宅や農地など売却以外の方法で公平に分けることが難しい財産があるとき、相続人同士で誰が取得するのか・代償金をどうするのかといった点で意見が対立しやすいでしょう。

特に、相続人の一部が不動産に住み続けたいと希望する場合や、共有名義に抵抗がある場合は話し合いが難航しやすいです。

不動産の評価額を巡る意見の相違も、トラブルの原因となります。

相続人同士の関係性が悪い

相続人同士の関係性が元々良好でないと、遺産相続はトラブルに発展する可能性が高いです。

過去の経緯や感情的なしこりがある場合、冷静な話し合いが困難となるため、些細なことでも対立が生じやすくなります。

例えば、長年にわたる親族間の不和や、被相続人との生前の関わり方における不公平感などが、遺産分割協議の場で表面化し、感情的な衝突を招くケースがあります。

このような状況では、法律的な公平性だけでなく、感情的な側面も考慮した慎重な対応が必要です。

相続人の数が多い

相続人の数が多いと、遺産相続でトラブルに発展しやすいです。

相続人が増えるほど、それぞれの意見や利害が異なる可能性が高まるため、全員の合意を得ることが困難になるでしょう。

例えば、被相続人の兄弟姉妹や甥姪なども相続人となる場合、面識のない遠い親族との間で話し合いをまとめるのは容易ではありません。連絡調整の手間が増えるだけでなく、それぞれの相続人の取り分を巡って意見が対立し、遺産分割協議が長期化する傾向にあります。

生前に介護していた相続人がいる

被相続人の生前に、特定の相続人が介護や療養に尽力していた場合もトラブルに発展しやすいです。

生前に介護していた相続人が他の相続人に対して、多くの財産を受け取る権利があると主張するケースは珍しくありません。

これは寄与分の問題として扱われる場合がありますが、評価は主観的な感情が入りやすく、他の相続人が貢献度を認めない場合に争いが生じやすいでしょう。

介護の労力や費用の貢献は客観的に証明しにくい場合が多く、公平な判断が難しいです。そのため、感情的な対立につながりやすい傾向があります。

生前贈与が行われていた

被相続人が生前に特定の相続人に対して多額の贈与を行っていた場合も、トラブルに発展しやすいです。

他の相続人から特別受益として、贈与分を考慮するよう主張されて争うケースは珍しくありません。

例えば、特定の子供の学費や住宅購入資金を被相続人が負担していた場合、他の兄弟姉妹が贈与分を相続財産に持ち戻して計算するよう求める場合があります。

この持ち戻しを巡って、贈与を受けた相続人とそうでない相続人の間で認識のずれが生じ、公平性を巡る争いが生じます。

被相続人に借金があった

相続財産に借金やローンなどのマイナスの財産が含まれていると、相続人間でトラブルが発生しやすいです。

特に相続財産全体でマイナスが上回る場合、相続人は相続放棄や限定承認を検討する必要があります。

しかし、これらの手続きは相続開始から3ヶ月以内という期限があるほか、相続人全員の同意が必要となる場合があるため注意しなければいけません。

借金を知らずに単純承認してしまったり、特定の相続人が借金の負担を拒否したりすると、他の相続人に影響を及ぼし、トラブルに発展するでしょう。

内縁関係の配偶者がいる

被相続人に法律上の婚姻関係にはないものの、事実婚(内縁関係)の配偶者がいると、遺産相続で複雑なトラブルが生じやすいです。

内縁の配偶者は法律上の相続人ではないため、遺言書がない限り相続権を持ちません。しかし、長年連れ添ったパートナーが財産を受け取れないという状況は、感情的な問題を引き起こしやすいでしょう。

内縁の配偶者が財産を受け取るには、遺言書による遺贈や生前贈与、あるいは特別縁故者としての請求などの特別な手続きが必要です。そのため、他の相続人との間で争いが生じる可能性があります。

子どもがいない

被相続人に子どもがいないと、法定相続人の範囲が広がり、遺産相続が複雑化しトラブルに発展する場合があります。

例えば、普段から交流のない兄弟姉妹やその子ども(甥・姪)が相続人となると、財産の内容を把握しきれていなかったり、遺産分割の話し合いに参加する意識が低かったりするなど、意見の調整が難しくなる場合があります。

これにより、遺産分割協議がスムーズに進まない可能性が高まるでしょう。

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相続トラブルを防ぐための対策 

相続トラブルを防ぐための対策

相続トラブルを防ぐためにも、以下の対策を覚えておきましょう。

  • ・財産目録の作成
  • ・家族間でのコミュニケーション
  • ・遺言書の作成
  • ・法定相続人の人数や計算方法の把握
  • ・生前贈与があった場合は記録に残す
  • ・専門家への相談を検討する

ここでは、相続トラブルを防ぐための対策について詳しく解説します。

財産目録の作成

相続トラブルを未然に防ぐための対策は、被相続人が生前にすべての財産をまとめた財産目録を作成しておくことです。

財産目録には預貯金や不動産、有価証券などのプラスの財産だけでなく、借金やローンなどのマイナスの財産も漏れなく記載しましょう。

財産の全体像が明確になると、相続人全員が公平に財産状況を把握できるため、隠し財産や不正持ち出しなどの疑念を避けられます。

これにより、遺産分割協議がスムーズに進み、無用な争いを防げます。

家族間でのコミュニケーション

被相続人が元気なうちに、家族間で相続に関する希望や懸念事項についてコミュニケーションを取ることも、トラブル防止には効果的です。

例えば、どの財産を誰にどのように遺したいのか、特定の相続人に特別な配慮が必要な事情があるのかなど、具体的な話し合いを重ねましょう。これにより、遺言書に記載されない感情や思いが共有され、相続人同士の相互理解が深まります。

オープンなコミュニケーションは、相続発生後の対立を和らげ、円満な遺産分割協議を促す土台となるでしょう。

遺言書の作成

有効な遺言書を作成しておくと、相続トラブルを未然に防げます。

遺言書には誰にどの財産をどれだけ相続させるのか、遺産分割の方法など、被相続人の明確な意思を記載できます。

特に公正証書遺言であれば、公証人が関与するため形式不備で無効になるリスクが低く、原本が公証役場に保管されるため、紛失や偽造の心配が少ないでしょう。

また、遺言書があれば、遺産分割協議が不要になる場合が多いです。

法定相続人の人数や計算方法の把握

相続トラブルを避けるには、被相続人の法定相続人が誰であり、何人いるのか、それぞれの法定相続分がどのくらいになるのかを正確に把握しておくべきです。

民法では配偶者や子、親、兄弟姉妹の順に法定相続人が定められています。

これらの範囲や順位、遺産に対する持ち分割合を事前に理解しておけば、遺産分割協議において公平な分配の目安を立てられます。

相続人全員を漏れなく把握し、それぞれの権利を理解することは、トラブルを未然に防ぐために欠かせないステップとなるでしょう。

生前贈与があった場合は記録に残す

被相続人が生前に特定の相続人に対して生前贈与を行った場合、内容を明確に記録に残しておくとトラブル防止に役立ちます。

いつ、誰に、何を、いくら贈与したのかを記録し、可能であれば贈与契約書などの書面を作成しておきましょう。この記録は、相続発生後に他の相続人から特別受益として持ち戻しの主張があった場合に、事実関係を明確にする証拠となります。

記録がないと贈与の有無や金額を巡って意見が対立し、遺産分割協議が難航する可能性が高まるでしょう。

専門家への相談を検討する

相続に関する知識や経験が不足していると感じる、または相続人同士の関係が複雑で話し合いが難しい場合は、弁護士などの専門家への相談を検討しましょう。

弁護士は法律に基づいた客観的なアドバイスを提供し、遺産分割協議の調整役を務めてくれるほか、遺言書作成をサポートしてくれます。

また、感情的になりがちな相続問題を、法的な視点から冷静に解決へと導いてくれるでしょう。

専門家の介入は、相続人全員が納得できる形で、円満な相続を実現するために有効です。

遺産相続のトラブルに関するよくある質問 

遺産相続のトラブルに関するよくある質問

ここでは、遺産相続のトラブルに関するよくある質問に回答します。

Q.相続トラブルに発展した場合はどうすればいいですか?

A.遺産相続でトラブルに発展し、相続人同士の話し合いで解決が難しい場合、弁護士への相談がおすすめです。

弁護士は相続に関する専門知識に基づき、あなたの立場や権利、最適な解決策について具体的なアドバイスを提供してくれます。

話し合いが困難な状況で弁護士を代理人にすると、遺産分割協議が進められたり、家庭裁判所での遺産分割調停や審判を申し立てたりすることが可能です。

Q.遺言書がなくても相続は可能ですか?

A.はい、遺言書がなくても相続は可能です。

遺言書がない場合、民法で定められた法定相続人が財産を相続します。この場合、相続人全員で遺産分割協議を行い、誰がどの財産をどれだけ相続するのかを話し合い、合意しなければいけません。

協議がまとまると、内容を記載した書類を作成し、これに基づいて相続手続きを進める流れです。

Q.相続トラブルを弁護士に依頼した場合の費用は誰が支払う?

A.相続トラブルを弁護士に依頼した場合の弁護士費用は、原則として依頼した本人が負担します。

例えば、遺産分割協議の代理を依頼した場合、依頼者は自身の弁護士費用を支払います。

ただし、遺産分割調停や審判の結果、特定の相続人が遺産を多く取得することになった場合など、相手方との合意によっては、弁護士費用の一部または全部を相手方が負担するケースもあります。

まとめ 

遺産相続は財産の内容が不透明、遺言書に問題がある、分割しにくい不動産が含まれている場合など、さまざまなケースでトラブルに発展しやすい傾向があります。

トラブルを未然に防ぐには、故人が生前に財産目録を作成し、財産の全体像を明確にするべきです。

また、家族間で相続に関する希望や懸念についてコミュニケーションを取り、遺言書の作成を検討するのも有効といえるでしょう。

もし相続トラブルに発展した場合は、早めに弁護士などの専門家へ相談してください。遺言書がない場合でも相続は可能ですが、遺産分割協議が難航するリスクがあるため注意が必要です。

徳島県鳴門市の泉法律事務所では、遺産相続に関する豊富な知識と経験を持つ弁護士が、ご依頼者様のご状況を丁寧にヒアリングいたします。

相続トラブルを未然に防ぐための対策、あるいはすでに発生してしまったトラブルの解決でお困りの方は、どうぞお気軽にご相談ください。

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