交通事故に遭った際に、保険会社に任せておけば安心と考えがちです。
しかし、保険会社から提示された示談金をそのまま受け入れてしまうと、本来受け取れる可能性のある金額よりも少なくなるおそれがあります。専門知識がないまま示談に応じてしまい、後から「もっと請求できたかもしれない」と後悔するケースは少なくありません。
弁護士に頼むのはハードルが高いと感じるかもしれませんが、依頼することで慰謝料が増額する可能性があったり、複雑な手続きを任せられたりするなど、被害者にとってメリットが生じる場合があります。
この記事では、交通事故を弁護士に依頼すべき具体的な理由と、損をしないためのポイントを解説します。
目次
交通事故の相談先は保険会社が多い

交通事故が発生すると、まずは自身や加害者が加入している保険会社へ連絡し、その後の手続きを進めるのが一般的です。
ここでは、なぜ多くの被害者が保険会社を相談先として選んでいるかについて解説します。
多くの被害者は保険会社のみで解決している
交通事故の解決までの流れにおいて、加害者側の保険会社担当者と直接やり取りを行い、提示された示談案に合意して解決するケースは少なくありません。
通常、事故が発生すると保険会社から今後の流れや治療費の支払いについて連絡が入ります。保険会社は事故対応の経験が豊富であり、複雑な書類の準備や手続きをスムーズに案内してくれるため、心強く感じられるものです。
被害者側も「プロが提示している内容なら間違いないだろう」と信頼を置きます。
また、早く事故のストレスから解放されたいという心理も働き、提示された条件を詳しく調べることもなく、そのまま示談に応じて解決に至っているのが現状です。
弁護士への相談が少ない理由
交通事故の解決にあたって、専門家である弁護士へ相談・依頼する被害者は多くありません。
その背景には、被害者が抱く以下のような心理的ハードルが大きく影響しています。
- ・費用の不安:「弁護士費用が高額で、手元に残るお金が減ってしまう」という懸念。
- ・心理的な抵抗:「大ごとにしたくない」「相手と揉めたくない」という穏便な解決への願い。
- ・情報の不足:「弁護士に頼むだけで賠償額が大幅に増える可能性がある」という事実を知らない。
- ・余裕がない:怪我の治療や仕事への対応で心身ともに余裕がなく、弁護士を探す手間を避けたい。
このように、弁護士への相談は自分にはハードルが高いと感じてしまう方が多いのが実情です。
しかし、実際には弁護士に相談することで得られるメリットは多くあります。
交通事故で保険会社の提示額をそのまま受け入れない方がいい理由

保険会社から示談案が提示されると、「プロが算出したのだからこれが正解だろう」と信じてしまいがちです。
ここでは、なぜ提示額をそのまま受け入れてはいけないのか、見落としがちな3つのリスクについて解説します。
保険会社が提示するのは任意保険基準であるため
保険会社が提示するのは任意保険基準であるため、正当な賠償額よりも低くなるケースが多くあります。
交通事故の慰謝料算出には、以下の3つの基準が使われます。
- 自賠責基準:法律で定められた最低限の補償基準。
- 任意保険基準:各保険会社が独自に定めた、自社の支払いを抑えるための基準。
- 弁護士基準:過去の判例に基づいた、裁判所でも認められる最も高い基準。
保険会社が示談交渉で提示してくるのは、2番目の任意保険基準に基づいた金額です。
これは営利企業としての社内ルールのようなものであり、法律上の上限額ではありません。
弁護士基準と比較すると、任意保険基準は数十万〜数百万円単位で低く設定されていることが一般的です。被害者が自分で交渉を続けている限り、保険会社が自発的に高い方の基準へ引き上げてくれることはありません。
そのため、提示額をそのまま受け入れると、本来請求できた可能性のある金額との差が生じる場合があります。
一度応じてしまうとやり直しができないため
示談に一度応じてしまうとやり直しができないため、提示された示談案の内容を十分に確認しないまま署名・捺印をすることは避けるべきです。
交通事故の示談が成立するということは、法的用語でいえば和解を意味します。
一度示談書にサインをしてしまうと、その内容は確定し、後から「計算を間違えていた」「他の人より金額が少なかった」と気づいても、原則として撤回や追加請求をすることは不可能です。たとえ、示談の後に想定外の後遺症が出てきたり、生活に大きな支障が生じたりしても、再び交渉の場を設けることは基本的に難しいです。
本来受け取れるはずの損害賠償を見逃す可能性があるため
保険会社の提示額をそのまま受け入れると、本来受け取れるはずの損害賠償を見逃す可能性があります。
保険会社から送られてくる示談案には、治療費や慰謝料といった基本的な項目は並んでいますが、被害者自身が知識を持って主張しなければ、算定から漏れてしまう項目が多くあります。
例えば、専業主婦であっても家事に従事できない期間の休業損害を請求できる権利がありますが、保険会社側から積極的に算定を提案してくれることは稀です。また、後遺症が残った場合の将来の減収分を補償する逸失利益や、通院にかかった諸経費など、計算方法一つで金額が大きく変わる項目もあります。
このように、専門的な知識がないまま示談に応じると、本来請求できる可能性のある項目が十分に検討されないまま解決に至る場合があります。
交通事故を弁護士に依頼した方がいい理由

交通事故を弁護士に依頼すると、法的根拠に基づいた適切な賠償を受けられるようになり、精神的な負担も大幅に軽減されます。
ここでは、弁護士へ依頼することで得られる具体的な4つのメリットを詳しく解説します。
慰謝料の算出基準が弁護士基準に変わるため
慰謝料の算出基準が弁護士基準に変わることで、弁護士基準での交渉が可能となり、増額が認められるケースがあります。
保険会社は自社の任意保険基準で提示を行いますが、弁護士が介入すると、過去の裁判例に基づいた最も高い弁護士基準で交渉が進められます。この基準の差は非常に大きく、入通院慰謝料だけでも、保険会社の提示額から2倍、3倍へと増えるケースは珍しくありません。
法律の専門家である弁護士が交渉に立つことで、裁判例に基づいた基準での交渉が行われます。
後遺障害認定の成功率を左右するため
後遺障害認定の成功率を左右するため、事故の怪我が完治せず後遺症が残ってしまった場合は、速やかに弁護士へ相談しましょう。
後遺症に対する示談金を受け取るには、後遺障害等級の認定を受ける必要があります。保険会社任せにしていると、本来認められるべき等級が非該当になったり、低い等級に下げられたりすることがあります。
弁護士に依頼すれば適切な認定を得るためのサポートをしてもらうことが可能です。
具体的には、弁護士は以下のような専門的なサポートを行います。
- ・診断書の精査:医師への修正・追記のアドバイス
- ・被害者請求:有利な証拠を自ら揃えて申請
- ・医学的立証:MRI画像や専門医の意見書の収集
正しい等級が認定されるかどうかで、最終的な賠償額は大きく変わります。
加害者や保険会社の対応・示談交渉を一任できるため
加害者や保険会社の対応・示談交渉を一任できるため、事故後の煩わしい手続きや心理的なストレスから解放され、治療に専念できます。
体調が万全でない中で保険会社の担当者と何度もやり取りをすることは、被害者にとって非常に大きな精神的負担です。弁護士が受任した時点で、すべての連絡窓口は弁護士に一本化され、保険会社から被害者へ直接連絡が届くことはなくなります。
「何を話せば損をしないか」と不安に感じることもなくなり、安心して日常生活を取り戻せる点は金額面以上の大きなメリットです。
交通事故の対応で適切なアドバイスを受けられるため
交通事故の対応で適切なアドバイスを受けられるため、事故直後から解決までのあらゆる場面で、法的に正しい選択ができるようになります。
交通事故の解決には、過失割合の算定や通院頻度など、専門知識が求められる場面が多々あります。例えば、仕事が忙しくて通院を我慢してしまうと、後に「怪我は軽かった」と判断され、慰謝料を減額される原因にもなりかねません。
早い段階で弁護士から通院の仕方や証拠の残し方について助言を受けておくことで、不利な状況になるのを未然に防げます。
依頼前にチェック!弁護士費用特約があれば負担は少ない

弁護士への依頼を迷う理由の多くは費用面ですが、保険の特約を利用すれば自己負担なしで依頼できる可能性があります。
ここでは、弁護士費用特約の仕組みや、意外と知られていない確認すべきポイントについて詳しく解説します。
弁護士費用特約とは
弁護士費用特約とは、交通事故の被害者が弁護士に依頼する際にかかる費用を、保険会社が代わりに負担してくれる仕組みのことです。
この特約を利用すれば、一般的に合計300万円までの弁護士費用を保険会社がカバーしてくれるため、被害者本人の手出しは実質ゼロ円で済みます。相談料についても別途10万円程度まで補償されるケースが多く、費用の心配をせずに安心して法律の専門家へ相談できます。
また、特約利用のみを理由として保険の等級が下がらないのが一般的です。
まずは自分の保険証券をチェックする
弁護士費用特約があるかどうか、まずは自分の保険証券をチェックしましょう。
弁護士費用特約は、自動車保険の契約時に安心パックなどの名称で最初から組み込まれていることが多く、自身で意識していなくても利用可能な場合があります。保険証券の特約事項の欄を確認し、弁護士費用補償特約といった記載があるかどうかを確かめてください。
もし手元に証券がない場合や、記載内容が複雑で判断がつかない場合は、加入している保険会社のコールセンターや代理店へ直接問い合わせるのが確実です。
家族の保険やクレジットカード特約が使えるケースも
自分自身の自動車保険に特約がなくても、家族の保険やクレジットカードの特約が使えるケースがあります。
弁護士費用特約は、自動車保険以外にも以下のようなサービスに付帯されていることが珍しくありません。
- ・家族の自動車保険
- ・火災保険
- ・生命保険・傷害保険
- ・クレジットカード
自分だけの範囲で判断せず、家族が加入している保険の契約内容を幅広く見直してみることが大切です。
これらの中に特約が一つでもあれば、自己負担を最小限に抑えて弁護士のサポートを受けることが可能になります。
特約がなくても弁護士費用をカバーできるケースも
弁護士費用特約がなくても、弁護士を介した増額分で費用を十分にカバーできるケースが多いため、まずは無料相談を利用してみましょう。
多くの交通事故専門の事務所では、初期費用である着手金を無料にし、解決後に受け取る示談金から報酬を支払う成功報酬制を採用しています。弁護士が介入すると、保険会社の提示額から大幅に増額されることが珍しくありません。
この増額幅が弁護士費用を上回れば、実質的な自己負担を大きく抑えられ、最終的に手元に残る金額も多くなる可能性があります。
費用を気にする前に、まずはどれくらいの増額が見込めるか、プロの診断を受けてみるのがおすすめです。
まとめ
交通事故の解決を保険会社任せにしてしまうと、請求できる可能性のある金額との差が生じる場合があります。
保険会社はあくまで自社の基準で交渉を進めるため、被害者が損をしないためには、弁護士基準で交渉を行うことが有効な選択肢です。一度示談に応じてしまうと撤回はできないため、サインをする前に弁護士に相談することをおすすめします。
交通事故の相談は『泉法律事務所』までお気軽にご相談ください。
法律事務所では、交通事故被害者の方の不安を解消するために、相談料無料・着手金0円の成功報酬制を導入しています。弁護士費用特約がない方でも、獲得した示談金の中から費用を精算するため、今お手元に資金がなくても安心してご依頼いただけます。
まずは無料相談で、示談金の妥当性について確認してみてはいかがでしょうか。
