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遺産分割調停の呼び出しを無視するとどうなる?リスクと正しい対応法

遺産分割調停の呼び出しを無視するとどうなる?リスクと正しい対応法

遺産分割調停の呼出状を無視すると、正当な理由のない不出頭として過料の対象になり得るだけでなく、調停が不成立となれば審判手続きに移行し、自分の主張や証拠を十分に示せないまま不利な結果に至るおそれがあります。

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遺産分割調停の呼出状が届いたら知っておきたいこと

「遺産分割調停期日呼出状」とは何か

「遺産分割調停期日呼出状」とは、遺産分割について家庭裁判所で話し合う調停期日への出席を求めて送られてくる書面です。

遺産分割の話し合いがまとまらず、相続人の誰かが家庭裁判所に調停を申し立てると、申し立てた側は「申立人」、それ以外の相続人は「相手方」として、それぞれ手続きに関わることになります。

呼出状が届いた場合は、自分が「相手方」として出席を求められます。

「関わりたくない」と感じても、放置せず対応することが重要

他の相続人と対立している場合や、仕事が多忙で日中に時間を取りにくい場合でも、呼出状への対応を放置することは避けるべきです。

欠席時の対応は、欠席理由や合意の見込み等を踏まえて裁判所が判断します。

調停が不成立となれば、遺産分割は審判手続きへ移行します。

呼び出しを無視して欠席すると生じる法律上のリスク

正当な理由なく出頭しないと「過料」の対象になり得る

家事事件手続法51条3項は、呼出しを受けた事件の関係人が正当な理由なく期日に出頭しない場合、5万円以下の過料に処する旨を定めています。

この規定は同法258条1項により家事調停の手続きにも準用されるため、遺産分割調停の期日を欠席した場合も対象になり得ます[1]。

過料の問題では、呼出状の送達等、過料を科すことができる適式の呼出しがされているかも確認が必要です。

簡易な呼出しでの欠席が直ちに過料の対象になるとは限りません。

「正当な理由」の判断基準

実務上、過料が実際に科されるケースは多くないとされていますが、「正当な理由」に当たるかどうかは個別の事情によって判断が分かれます。

多忙で日程の調整がつかない、遠方に住んでいて移動が難しいといった事情は考慮される可能性がありますが、単に「気が進まない」「相手と顔を合わせたくない」といった理由では、正当な理由として認められない場合があります。

自己判断で無視せず、早めに弁護士へ相談して代理出席などの選択肢を確保しましょう。

審判へ移行しても対応が必要

調停が不成立となれば、審判手続きへ移行する

調停が成立する見込みがないと家庭裁判所が判断した場合、調停は不成立として終了し、家事事件手続法272条4項により、審判の申立てがあったものとみなされて審判手続きに移行します[1]。

審判は法的基準に沿って分割を決める通常の手続きで、欠席への罰ではありません。

呼出状を放置すると、伝えたい事情や資料を十分に示せないおそれがあります。

指定期日に出席できない場合も、裁判所へ早めに連絡し、出席方法や必要な書面の提出について確認してください。

調停で主張を示さないまま審判に進むと不利になりやすい

調停は相続人同士の話し合いの場ですが、審判は家庭裁判所の裁判官が法的根拠に基づいて判断を下す場です。

審判に移行した場合も家庭裁判所は当事者の陳述を聴くため、欠席しただけで相続権を失ったり、相手方の主張をすべて認めた扱いになったりするわけではありません。

しかし、必要な主張・資料を提出しなければ、考慮してもらいたい事情が十分に伝わらないおそれがあります。

特に、遺産の維持・増加に貢献したという寄与分を求める場合は、具体的な主張・資料の提出に加え、寄与分を定める審判の申立てが必要となる点や、裁判所が定める申立期間等に注意してください。

調停で主張を示さないまま審判に進むと不利になりやすい

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出頭が難しい・気が進まない場合の対処法

まずは家庭裁判所へ「出頭できない事情」を事前に連絡する

指定された期日にどうしても出頭できない事情がある場合は、無視するのではなく、対応可能な日程とあわせて事前に家庭裁判所へ連絡することが重要です。

事前に事情を伝えておくことで、期日の調整を検討してもらえる可能性があります。

弁護士に依頼して代理出席してもらう

委任状を用意すれば、弁護士が代理人として調停に出席し、本人に代わって主張を伝えることができます。

対立している相手方と直接顔を合わせずに手続きを進められる点もメリットです。

なお、裁判所が本人の出席を求める場合もあるため、あらかじめ対応方法や待合室の配慮について弁護士に相談しておきましょう。

ウェブ会議・電話会議で参加できるケースと申し出の方法

遠方に住んでいる場合や、仕事・体調の事情で裁判所へ足を運びにくいときは、電話会議やウェブ会議のシステムを利用して調停に参加できる場合があります。

実施するかどうかは家庭裁判所が判断するため、希望する場合は、早めに担当の書記官へ事情を申し出てください[2]。

無視・事前連絡・弁護士依頼で結果はどう変わるか

対応方法別の結果比較

対応方法 起こりうる結果・リスク 向いているケース
無視する 正当な理由のない不出頭として過料の対象になり得るほか、調停が不成立となれば審判へ移行し、主張・資料が十分に示されないと不利な結論になりやすい なし(推奨されない)
事前に欠席の事情を連絡する 事情が考慮されて期日変更や電話・ウェブ参加などの対応が検討され、自分の主張を示す機会を確保しやすくなる 病気・仕事・遠方等の事情で指定期日に出席できない場合
弁護士に相談し代理出席してもらう 相手方と直接対立せずに自分の主張・証拠を調停に反映できる 対立が深い、多忙で出頭が難しい、専門的な判断が必要なケース

よくある質問

呼出状を受け取らず放置した場合や、受け取りを拒否した場合はどうなりますか?

受取拒否や不在でも、法定要件を満たす送達方法により効力が生じる場合があります。

書面の種類・送達状況を裁判所に確認し、放置せず対応してください。

遠方に住んでいて毎回出頭できません。管轄の家庭裁判所を変更できますか?

遺産分割調停の管轄は、原則として相手方の住所地を管轄する家庭裁判所です(当事者間の合意で別の家庭裁判所を定めることもできます)。

遠方であることを理由に別の裁判所へ移すよう求める(移送を申し立てる)ことは可能ですが、認められるかどうかは家庭裁判所の判断によります。

調停に一度も出ないまま審判が確定したら、後から不服を申し立てられますか?

審判の内容に不服がある場合は、審判の告知を受けた日から2週間以内であれば即時抗告を申し立てることができます。

ただし、この期間を過ぎると審判は確定し、後から覆すことが難しくなります。

調停に出席しないまま審判手続きへ移行した場合、手続きはどのくらい長引きますか?

相手方が出頭しないまま調停が不成立となれば審判手続きに移行しますが、審判に移ってからも主張の整理や資料の収集にそれぞれ期日を要するため、事案の内容によっては、数か月から1年以上に及ぶこともあります。

まとめ:無視せず、早めの相談で不利益を回避する

遺産分割調停の呼び出しを放置すると、過料などの不利益を受ける可能性があるほか、自分の意向が反映されないまま審判手続きが進むリスクがあります。

一方で、対立を避けたい、多忙で出頭が難しいといった事情があっても、事前に裁判所へ連絡する、弁護士に相談して代理出席してもらうなど、無理なく対応できる方法があります。

相続に関する不安がある場合は、早めに専門家へ相談することをおすすめします。

本記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、個別の事案についての法的判断は、弁護士に直接ご相談ください。

遺産分割調停への対応についてのご相談は、泉法律事務所(徳島県鳴門市)まで、お電話(088-685-8120、受付時間:平日9:30〜17:00)または公式サイトのお問い合わせフォームよりご連絡ください。

参考文献

[1] e-Gov法令検索「家事事件手続法(平成23年法律第52号)」 (https://laws.e-gov.go.jp/law/423AC0000000052)

[2] 大阪家庭裁判所 家事事件のよくある質問(令和3年度・PDF) (https://www.courts.go.jp/osaka/vc-files/osaka/2021nendo/kasai_kaji/11_yokuarusitumon.pdf)

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執筆者:弁護士 泉智之/泉法律事務所

所属組織
徳島弁護士会所属
取扱業務
民事全般

ご依頼者様の想いに寄り添いながら、最善の解決策を共に考え、将来を見据えた支援を行うことを大切にしています。 法的解決にとどまらず、その先の人生まで見据えてサポートいたします。